こんにちは、香奈枝です。
今回は、このクリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは何か?そして、特に皆さんがブログなどで使用するときに悩みがちな画像の著作権について解説していきます。
著作権法は二者択一
著作権法には、以下の2つがあります。
- All rights reserved 全ての著作権を所有する
- No rights reserved 著作権フリー(パブリックドメイン)
この考え方だと、とても極端だと思いませんか?
例えば、複製、頒布、二次的著作物の作成、営利目的での使用などについて、以下の様な考えを持っている人もいます。
- 著者の名前や出典元だけ明記すればOK
- 営利目的で使用しなければOK
- 改変禁止、作品に手を加えなければOK
- 改変しても良いが、流通させるなら元のライセンスを継承すればOK(自分で使うだけなら自由)
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは?
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons License)とは、著作権保有者が、作品を自由に共有・利用できるようにするためのライセンスです。
従来の著作権に比べ、利用者に対して柔軟なライセンスを提供することが特徴です。
例えば、著作権保有者がクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを適用することで、その作品を自由に共有・利用できるようにすることができます。
ただし、ライセンスによって条件が異なるため、利用目的に合わせて適切なライセンスを選択する必要があります。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは?
クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称です。CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。
引用元: クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの4種のアイコン
著作権法には、中間の定義が存在しないためクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)では、以下のアイコンとともに著者の意思表示をするためのツールを提供しています。
- BY(表示)
- NY(非営利)
- ND(改変禁止)
- SA(継承)
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのアイコン組み合わせ
これらの条件を組み合わせることで、著作権保有者が自由に利用を許可する範囲を決定することができます。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、商用利用も可能なオープンアクセスジャーナルや、フリー素材サイト、オンライン動画共有サイトなどで利用されることがあります。
4つのアイコンを組み合わせて、意思表示ができる6パターンをご紹介します。
1・表示(BY)
著作者に関する情報やクレジット(コピーライト)を表示することで、複製、頒布、展示、二次的著作物の作成、営利目的で利用する事などができます。
2・表示と継承 (BY-SA)
著作者に関する情報やクレジット(コピーライト)を表示し、改変後の作品も元の作品と同じCCライセンス(このライセンス)で公開する事が条件で、複製、頒布、展示、二次的著作物の作成、営利目的で利用する事などができます。
3・表示・改変禁止(BY-ND)
著作者に関する情報やクレジット(コピーライト)を表示し、改変しないという条件で、複製、頒布、展示、営利目的で利用する事などができます。
4・表示・非営利(BY-NC)
著作者に関する情報やクレジット(コピーライト)を表示する事と非営利目的である事を条件に、複製、頒布、展示、二次的著作物の作成などに利用する事などができます。
5・表示・非営利・継承(BY-NC-SA)
著作者に関する情報やクレジット(コピーライト)を表示する事と非営利目的である事に限り、改変を行った際には元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開することを主な条件に、改変したり複製、頒布、展示、などに利用する事などができます。
6・表示・非営利・改変禁止(BY-NC-ND)
著作者に関する情報やクレジット(コピーライト)を表示する事と非営利目的である事。そして元の作品を改変しない事などを条件に、作品を自由に再配布できます。
アメリカの国際的非営利組織により提供されている、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)には、法的な強制力はありませんが、この表示にこめられている作者の思いとは違う使われ方をした場合には、著作権法違反として起訴される場合があります。
画像の著作権について
画像には著作権があり、著作権法によれば、画像の作成者が著作権を持ちます。もし作成者がいない場合は、法律に基づいて著作権が発生する場合があります。
一般的に、画像の著作権は、以下のような場合に発生します。
- 画像を撮影したカメラマンが著作権を持つ。
- デザインやイラストを描いたアーティストが著作権を持つ。
- 企業が制作依頼した商標やロゴなどの画像については、企業が著作権を持つことがあります。
著作権は、作成者の生存期間とその後50年から70年の間、有効です。
この期間中は、著作権者の許可なしに画像を使用することはできません。しかし、使用目的によっては、著作権法による例外が存在する場合があります。
例えば、報道目的や引用目的であれば、著作権者の許可なしに画像を使用することができる場合があります。ただし、これらの例外にも一定の条件がありますので、注意が必要です。
画像の著作権を調べるには?
画像の著作権を調べる方法は、以下のようなものがあります。
- インターネット上の画像検索エンジンを使用して、その画像がどこで使用されているか、作成者または所有者が誰かを調べることができます。Google画像検索、Bing画像検索、Yahoo!画像検索などが利用できます。
- 画像が掲載されているウェブサイトの著作権表示を確認することができます。ウェブサイトのフッターや、画像が掲載されているページの著作権表示の欄に、画像の著作権情報が掲載されていることがあります。
- 画像が掲載されているオンラインストックフォトサイトやクリエイティブ・コモンズのライブラリーなどを利用して、その画像が使用可能かどうかを調べることができます。
- 画像が掲載されているウェブサイトやブログの管理者に問い合わせることができます。著作権者の情報や許可を得るために、管理者に連絡することができます。
注意点として、インターネット上で公開されている画像がフリー素材として使用可能であると思い込むと、著作権侵害になる場合があります。必ず著作権者の情報を確認して、許可を得るかどうかを判断することが重要です。
クレジットなしで使える画像は?
クレジットなしで使える画像には、以下のようなものがあります。
- パブリックドメインの画像:パブリックドメインとは、著作権が消滅し、誰でも自由に利用できる状態のことです。パブリックドメインの画像は、著作権の保護期間が切れたものや、著作権者が放棄したもの、政府や図書館などが公開したものが該当します。
- CC0の画像:CC0(シーシーゼロ)は、クリエイティブ・コモンズが制定したライセンスで、著作権者が著作物の権利を放棄し、自由に利用できるようにするものです。CC0の画像は、著作権者がCC0を適用した画像であれば、クレジットの表記なしで自由に利用できます。
- ロイヤリティフリーの画像:ロイヤリティフリーとは、一定の料金を支払うことで、著作権者から利用権を取得することができるものです。一度購入すると、何度でも自由に利用できるため、商用利用を行う場合に便利です。ただし、ロイヤリティフリーであっても、使用制限や利用条件がある場合があります。
以上のように、クレジットなしで使える画像には、パブリックドメインの画像、CC0の画像、ロイヤリティフリーの画像などがあります。
ただし、画像がクレジット不要であっても、出典や作者名を明記することは、情報の信頼性を高めるために重要なことです。
CCライセンスフリーの画像検索
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)のフリー画像を探す方法には、以下のような方法があります。
クリエイティブ・コモンズ公式サイトの検索機能 CC Search
クリエイティブ・コモンズの公式サイトには、CCライセンスのフリー画像を収集している「CC Search」という検索機能があります。
CC Searchを使用することで、画像、音楽、動画、文章など、様々な種類のメディアファイルを検索し、自由に使用することができます。
CC Searchは、多くのウェブサイトやデータベースにアクセスすることで、クリエイティブ・コモンズのライセンスで提供されるオープンコンテンツを検索できます。
また、CC Searchは、検索結果のフィルタリング機能を提供しており、使用目的に応じた適切なライセンスを選択することができます。
CC Searchは、広告なしで無料で利用できるため、個人や団体、教育機関、非営利団体など、さまざまな利用者にとって便利なツールとなっています。ただし、クリエイティブ・コモンズのライセンスで提供されるコンテンツについては、使用条件を遵守することが必要です。
検索エンジンの画像検索機能で探す
Google、Bingなどの検索エンジンには、画像検索機能があり、これらの検索エンジンで「CC0(シーシーゼロ)」または「CC BY」といったキーワードで検索をかけることで、CCライセンスのフリー画像を探すことができます。
ただし、これらの方法で見つかった画像が、実際にCCライセンスのものであることを確認するためには、利用規約を確認する必要があります。
また、利用規約に従ってクレジットを表示する必要がある場合もあるので、利用規約をよく確認してから使用するようにしましょう。
GOOGLE画像検索でCC作品を探せるように!
google画像検索のオプションで、CCライセンス下にある作品を含めた自由に利用することのできる画像を検索できるようになりました。この機能は、検索のオプションページの下からふたつめ、「使用権」の項目で条件を選択することで利用できます。
参考画像:Google画像検索のオプション画像
CCライセンスのフリー画像素材サイト
クリエイティブ・コモンズのライセンスで提供されるフリー画像素材サイトをご紹介します。
- Unsplash (https://unsplash.com/)
- Pexels (https://www.pexels.com/)
- pixabay (https://pixabay.com/)
- Flickr (https://www.flickr.com/)
- Openclippart (https://openclipart.org/)
- freepik (https://www.freepik.com/)
- flaticon (https://www.flaticon.com/)
- gratisography (https://gratisography.com/)
- stocksnap (https://stocksnap.io/)
これらのサイトからは、高品質な写真、イラスト、ベクターグラフィックス、アイコン、背景画像など、さまざまな種類のフリー画像素材をダウンロードすることができます。
ただし、クリエイティブ・コモンズのライセンスに従って使用することが必要です。具体的には、ライセンス条件に従って、作者や出典元をクレジット表示すること、商用利用をする場合はライセンスの範囲内で利用することが求められます。
FreeImagesは、フリー画像を提供するウェブサイトの1つで、ユーザーが登録して利用することができます。このサイトでは、商用利用も可能な高品質のフリー画像が提供されています。
FreeImagesを使用するには、以下の手順を実行します。
- FreeImagesのウェブサイトにアクセスします。
- ログインまたは新規登録します。
- 検索バーにキーワードを入力し、検索を実行します。
- 検索結果が表示されます。選択した画像をクリックし、ダウンロードする前に、ライセンスと使用可能な方法を確認する必要があります。
- 使用した画像には、画像の作者やFreeImagesのクレジットを表示することが望ましいです。
FreeImagesでは、提供されている画像はフリー画像として提供されていますが、一部の画像は、作者によって商用利用が禁止されている場合があります。そのため、ダウンロード前に使用可能なライセンスや規制について確認することが重要です。
Creative Commons Searchは、クリエイティブ・コモンズのライセンスで提供されている、様々なメディアファイルを検索できるウェブサイトです。クリエイティブ・コモンズ検索は、画像、音楽、動画などです。
クリエイティブ・コモンズ検索を使用するには、以下の手順を実行します。
- クリエイティブ・コモンズ検索のウェブサイトにアクセスします。
- 検索バーにキーワードを入力し、検索を実行します。
- 検索結果が表示されます。選択したメディアファイルをクリックし、使用可能なライセンスと使用方法を確認します。
- メディアファイルをダウンロードする前に、ライセンスと使用可能な方法を確認する必要があります。
Creative Commons Searchは、クリエイティブ・コモンズのライセンスを使用しているメディアファイルを検索するため、使用可能なライセンスの種類や規制について確認することが重要です。また、使用したメディアファイルには、クリエイティブ・コモンズのライセンスに基づくクレジットを表示することが望ましいです。
Wikimedia Commons(ウィキメディア・コモンズ)は、フリーで再利用可能なメディアファイルのコレクションを提供するウェブサイトです。このサイトには、写真、イラスト、音声ファイル、動画、3D画像、PDFファイルなどが含まれます。
ウィキメディア・コモンズの利用には、以下の手順を実行します。
- ウィキメディア・コモンズのウェブサイトにアクセスします。
- 検索バーにキーワードを入力し、検索を実行します。
- 検索結果が表示されます。選択したメディアファイルをクリックし、ライセンスと使用可能な方法を確認します。
- メディアファイルをダウンロードする前に、ライセンスと使用可能な方法を確認する必要があります。
Wikimedia Commonsでは、ほとんどのメディアファイルがクリエイティブ・コモンズのライセンスで提供されていますが、一部のファイルは著作権がある場合がありますので、使用前にライセンスと使用可能な方法を確認することが重要です。
また、使用したメディアファイルには、作者や出典元をクレジット表示することが望ましいです。
Compfightは、FlickrのAPIを使用して、CCライセンス付きのフリー画像を検索できるウェブベースのツールです。
CCライセンスは、著作権を保護しながら、自由に画像を利用できるライセンスで、商用利用も可能です。Compfightは、CCライセンスで提供されているFlickrの画像を検索し、検索結果から利用可能な画像を見つけることができます。
Compfightを使用するには、以下の手順を実行します。
- Compfightのウェブサイトにアクセスします。
- 検索バーにキーワードを入力し、検索を実行します。
- 検索結果が表示されます。検索結果をフィルタリングするには、フィルタリングオプションを使用します。
- 選択した画像をクリックし、ダウンロードする前に、ライセンスと使用可能な方法を確認する必要があります。
ただし、CompfightはFlickrのAPIを使用しているため、Flickrの利用規約やCCライセンスに従って使用する必要があります。また、画像の使用に関して法的な問題が生じた場合は、利用者自身が責任を負うことになります。
出典と引用の違いは?
出典と引用は、どちらも他人の著作物を利用する際に必要な情報であり、学術や研究、論文などで必須の要素です。しかし、出典と引用は、その利用目的や文脈によって、微妙な違いがあります。
出典とは、引用元を明示することで、情報の信頼性を担保するためのものです。出典を記載することで、読者や審査者が情報の正確性や真偽を確認できるようになります。
例えば、本やウェブサイトなどで得た情報を論文に使う場合、参考文献リストに出典を記載することが一般的です。
一方、引用は、自分の論文や研究に他人の意見やアイデア、具体例などを取り入れる場合に使用します。引用する際には、原典から直接引用する場合と、自分で書き換えたり要約したりして引用する場合があります。
引用する際には、引用符で囲んで明確に引用部分であることを示し、引用元の出典情報も記載する必要があります。引用することで、自分の主張に裏づけを与えたり、読者に対して他者の意見やアイデアに触れさせたりすることができます。
つまり、出典は参考文献などで記載することで、情報源を明示し信頼性を担保するためのものであり、引用は自分の論文や研究に他人の意見やアイデア、具体例などを取り入れる場合に使うものです。引用する際には、出典情報も含めて明確に示すことが重要です。
著作物の取説:WEB徹底利用マニュアル――著作権法とベルヌ条約[パブリック・ドメイン/CCライセンス/コモンズ/フェアユース/地理院地図]編集・デザイナー必携 Kindle版
書籍・雑誌・ウェブデザイナーに今すぐに役に立つ、著作物利用の情報が満載の実用書。本書は、書籍や雑誌、ウェブページやブログ等で必要となる、インターネットで確認できる優れた写真、絵画やデザイン性の高い著作物、地図データ等を利用する編集・デザイナーのための著作権利用マニュアル。
「知る、読む、使う! オープンソースライセンス」可知豊 著のライセンス
最後に、「知る、読む、使う! オープンソースライセンス」は、著者の可知豊さんによりクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づき提供されています。
知る、読む、使う! オープンソースライセンス
2011 年 12 月 20 日 v0.9.0 版発行
2012 年 01 月 18 日 v0.9.1 版発行
2012 年 05 月 18 日 v1.0.0 版発行
2013 年 08 月 21 日 v1.1.0 版発行
著 者 可知 豊
編集者 高橋征義
発行所 達人出版会
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クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本
(http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/)