答えは、場合によりNGになることがあります。
何故なら、購入した素材であっても「著作権を放棄していない」場合が多いからです。
写真の著作権は、その写真を撮影した人になります。
著作者本人であれば、複製したり改変を加えたり、ダウンロードサイトで配布、販売したりすることは全くの自由です。
〇 著作者以外の人が素材のダウンロードサイトから、画像や写真を自分のパソコンに保存したり、その素材をトレースする行為は著作権法の「複製」に該当しますが、利用目的が著作権法30条 の「私的使用目的のための複製」の範囲内であれば、複製権侵害にはなりません。
× それを自分の作品として公開したり、商用利用目的で複製した場合は「著作権法第49条 複製物の目的外使用等に関する法律」に該当してしまいます。
トレースや模写をした作品を、自分の作品、又は作品の一部として公開、又は商用利用する場合は、元画像の利用規約でどのような条件で商用利用が可能か、確認するようにしましょう。
著作権や複製権とか個人のブログだから大丈夫!なんてことは、ありませんのでSNSやブログなどで写真を使う事が多い方は、是非読んでくださいね。
著作権とライセンスについては「著作権フリーの画像やイラストの取り扱い方法| CCライセンスとは?」で、解説しています。
以下の目次から、読みたいところから見て頂いてもOKですよ。
購入した写真やイラストは、トレースしても良いのか?
私の息子が、漫画家さんの下請けで背景を描いてますが、できるだけ自分で撮った写真をトレースするのが、一番安心だと言っておりました。
書店やネット上には、ロイヤリティーフリーとか素材集などと言った写真やイラストが販売されていますが、これらの素材には必ず使い方が指定されています。
例えば、写真のフリー素材サイト 写真AC の場合ですと。
- ダウンロードした素材を自由に利用可能
- 無料でダウンロード可能
- クレジット表記不要
- 加工自由(切り抜き・サイズ変更・色変更・改変)
- 商用利用可能(※利用規約の範囲)
チラシ、ポスター、パンフレット、カタログ etc…※利用規約の範囲内でご利用が可能です。
引用元:写真ACとは ご利用ガイドより
この「利用規約の範囲内」ですが、内容を見てみましょう。
●使用してはいけない例(商品化ライセンス取得でご利用可能)
・商品化利用(販売目的の商品・オリジナルグッズ・販促品など)
具体例:フリマアプリなど個人で販売目的の商品全般、かるたデザイン、のぼり、布、スマホケース、お守り、ご朱印帳、絵馬など
・各種デザインテンプレートへの利用
・画像を編集したものの再配布や二次配布にあたる行為(※ライセンスを取得された場合でも、そのままの状態での配布はしていただけませんのでご注意ください)
×全面利用禁止の例(利用規約違反のため、商品化ライセンス取得に関わらずNG)
・アダルトコンテンツへの利用(その他公序良俗に反するご利用方法)
・ロゴ(ブランド・企業ロゴなど)→たとえロゴの一部であってもご利用は禁止しています。ハンドメイド作家のロゴ・配信者ロゴ、サークルチームロゴなども禁止です。
・プロフィール写真としてモデルの写真を利用し、SNSその他サービスで発信する
・お客様のお声としての利用(偽名や年齢などをつけて、あたかも利用者であるかのように見せるなど)
・素材そのものを再配布する行為 →ダウンロードして、第三者が使用できる状態にすること全般を禁止しています。
(※Scratchなどのプログラミングソフトに使用する事も、他者が自由に素材を使えるようになりますので、禁止しております)
・商標登録すること
引用元:ACヘルプセンター 素材の利用可能な範囲を教えてください。より
ざっと見ただけでも、けっこう汗が出そうになる部分がありませんか?
私は、写真ACさんのプレミアム会員になっていて、いつもお世話になっていますが、知らなくて少しびっくりしたのが「ロゴ」への使用が禁止されていた事です。やってなくて良かった(-_-;)
ハンドメイド作家さんなどは、ついやってしまいそうではないですか?
写真のトレースに関する注意点
トレース用素材やロイヤリティフリーの写真素材をトレースすることが適法かどうかは、その素材のライセンス条件によって異なります。
トレース用素材については、ライセンス契約書で使用許諾が許可された場合にのみトレースすることができます。
ただし、トレースした結果得られたイラストやデザインを商業目的で使用する場合は、ライセンス契約書に従って適切な許可を取得する必要があります。
一方、ロイヤリティフリーの写真素材をトレースする場合は、ライセンス条件によって異なります。
一般的に、ロイヤリティフリーの写真素材は商業目的で使用するためにライセンスを購入することができますが、そのライセンスによって使用に制限がある場合があります。
例えば、ロイヤリティフリーの写真素材のライセンスに「派生物を作成し販売することは禁止」という制限がある場合は、その写真素材をトレースして新しいイラストやデザインを作成しても販売することはできません。
ポイントは「商用利用目的」なのか「私的使用目的」なのかと言う点です。
したがって、トレース用素材やロイヤリティフリーの写真素材をトレースする場合は、ライセンス条件をよく確認し、必要な許可を取得することが重要です。
著作権フリーとは?
著作権フリーとは、著作物に対する著作権が消滅している状態を指します。
つまり、著作権の保護期間が満了した作品や、著作者が明示的に著作権を放棄した作品などが該当します。
著作権フリーとして有名な漫画に「ブラックジャックによろしく」があり、著作権フリー及び二次利用の自由を認めています。
著作権がフリーとなった作品は、自由に使用、複製、再配布することができます。
ただし、著作権が消滅しているため、その作品に使用されている素材などについては、別途権利が発生する場合があります。
また、著作権が消滅しているとはいえ、作品に関する法的な問題や著作者の人格権などには注意が必要です。
著作権フリーの作品は、公共の利益を考慮した上で、歴史的な重要性がある文化遺産の保存、教育・研究などの目的に役立てることができます。
しかし、商業利用については、一定の制限がある場合がありますので注意が必要です。
フリー素材の著作権は?
フリー素材には、以下の3種類があります。
- 著作権が消滅しているもの
- 著作者が明示的に著作権を放棄しているもの
- ライセンス契約によって一定の利用条件を守ることで自由に利用できるもの
ライセンス契約によって提供されるフリー素材については、その契約に定められた利用条件に従って使用する必要があります。
例えば、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスによるフリー素材は、利用に関する条件が定められており、商用利用を許可していない場合があるため、利用者は契約内容をよく確認する必要があります。
また、フリー素材であっても、その素材に含まれる他の著作物(例えば、写真の場合は被写体や著作物が写り込んでいる場合がある)については、別途権利が発生する場合があるため、注意が必要です。
写真やイラスト、動画などに関する著作権の種類
これらの権利は、地域(国)によって異なる場合がありますので、詳細は各国の法律を確認することが重要です。
写真やイラスト、動画などに関する著作権には以下のようなものがあります。
著作権
著作権は、写真、イラスト、デザインの創作者がそれらを作成する際に生じた権利であり、他の人がそれらを複製、変更、頒布、公開、展示することを制限します。
商標権
商標権は、写真、イラスト、デザインが表す商品やサービスの識別子として使用される場合に生じる権利です。商標権は、商品やサービスの識別子を保護するために使用されます。
肖像権
肖像権は、個人の肖像を使用することに関する権利であり、その個人が自分の肖像を制御することを可能にします。肖像権は、プライバシーやパブリシティの権利と関連しています。
パブリシティ権
パブリシティ権は、有名人や著名人が自分の名前、肖像、イメージ、またはその他の個人情報を使用されることに関する権利であり、商業的な広告やプロモーションなどの目的で使用される場合に適用されます。
使用許諾契約
使用許諾契約は、写真、イラスト、デザインを使用するために契約することで、著作権者の使用条件を定めます。使用許諾契約によって、使用するための料金や使用目的が定められることがあります。
関連する法律
著作権法30条
「私的使用目的のための複製」著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
私的使用目的の範囲を超えてしまった場合は、著作権侵害に該当する場合があります。
著作権法第49条 複製物の目的外使用等に関する法律
著作権法21条 複製権 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
著作権法23条 公衆送信権等
- 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
- 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。
著作権法32条 引用
- 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
- 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
出典:wikibooks より